地元産の綿花の復活

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 いわき市小名浜に本拠を置く、NPO「ピープル」の理事長を務める、吉田恵美子さんは、東日本大震災の前は古着のリサイクル活動を中心に取り組んでいた。震災直後、避難所に古着を届ける活動は、避難していた人々から感謝された。

 今後の活動を考えていた、吉田さんの目にとまったのは、高齢化によって耕作が放棄された地元の田畑の姿だった。小名浜地区は、江戸時代に綿花畑が広がっていた歴史があると聞いた。かつて地元に栽培されていた綿花の種を求めて探しまわった末に、信州大学の実験農場に小名浜産綿花に近い種子があることがわかった。

 この綿花の特徴は、真っ白なイメージとは異なって、ちょっと茶色がかっている点である。NPOの仲間と、全国からかけつけた学生らのボランティアとともに、綿花の種子を植えて、収穫した。手ぬぐいなどの製品化に成功した。東京・日本橋の三越本店で開いた展示会では買い物客の公表を博した。